労働環境が適正か否かを判断する際、基準となる規範が労働基準法です。ここで決められた規定は最低限守られるべきものであり、業務内容や会社の事情によって変更することは原則として許されません。とはいえ各条文に例外は定められており、会社と労働者が合意の上であれば特別なルールを定めても許されることがあります。たとえば、賃金は通貨で直接、全額を支払はなければならない、と定められていますが、労働者の同意があれば口座振り込みが可能ですし、社宅の費用を天引きすることも労使協定があればできます。

このように柔軟な運用ができる規定もあるため、法に抵触しないよう上手に労働条件を定めることが大切です。労働基準法は労働者の権利を守る立場から定められていますが、会社にとってもコンプライアンスを遵守する組織づくりには不可欠な法律です。程度を超えた労働基準法違反は、ブラック企業との負のイメージとともに行政機関による是正措置の対象にもなります。中小企業にとっては時に違法と理解していても、変更できない事情もあるでしょう。

しかし会社の存続という長い目で見た場合には、労働者との良好な関係を築くことは重要です。休憩の与え方や時間外休日労働のための36協定の必要性など、労使にとって重要な規定が網羅されています。また有給休暇についても触れており、6か月継続勤務をし、労働日の8割以上出勤すると与えなければならないと定められます。働く上で知っておきたい規定ばかりですので、一度はチェックしておくと良いでしょう。

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